数学特別講義 (応用数学) パーシステントホモロジーの理論と応用

開催日時
2017/06/12 月 15:00 - 17:00
2017/06/13 火 15:00 - 17:00
2017/06/14 水 10:00 - 12:00
2017/06/15 木 10:00 - 12:00
2017/06/16 金 10:00 - 12:00
場所
3号館127大会議室
講演者
大林 一平
講演者所属
東北大・AIMR
概要

パーシステントホモロジーとは、複体の族(1パラメータの増大列を考えることが多い)に関するホモロジー論で、今世紀に誕生し、データ解析のための新しい枠組みとして、理論、計算アルゴリズム、応用のいずれの面でも急速に発展している。前世紀から計算ホモロジーと呼ばれるコンピュータでホモロジーを計算する理論と手法が発展していたが、得られる情報の量やノイズに対する弱点のためデータ解析のための枠組みとしては限定的であった。パーシステントホモロジーは1パラメータ族を考えることでこれらの弱点を乗り越えることができ、応用範囲が一挙に広がった。
 本講義では、パーシステントホモロジーの数学理論からその応用までを、その間の関係を意識しつつ解説する。理論面ではパーシステントホモロジーの定義、構造定理、計算アルゴリズム、パーシステント図の安定性などについて解説する。応用的な側面としては、統計や機械学習とパーシステントホモロジーを組合せた応用、パーシステント図の「逆問題」などの話題を取り扱う。
 なお,全5回の講義のうち1回はコンピュータを用いた実習ができるようにする予定である。 実際の計算にはWebアプリケーションを用いるため、実習を行うには、ネットワークに接続できるノートPCを持参することを前提とする。また,実習用にサンプルデータを用意しておくが、受講者が自分でデータを用意しておくと、より実習が有意義になると思われる。2 or 3次元のpoint cloudデータを用意しておくとよい。

なお,この集中講義に関する情報を
https://sites.google.com/view/obayashi-20170612-kyoto-u-math
で随時,アップロードするので,受講を希望する学生は確認しておくこと.