数学特別講義 (応用数学)ランダムトポロジー --- パーシステン トホモロジーの確率論的側面から ---

開催日時
2017/01/16 月 15:00 - 17:00
2017/01/17 火 15:00 - 17:30
2017/01/18 水 10:00 - 12:00
2017/01/19 木 10:00 - 12:00
2017/01/20 金 10:00 - 12:00
場所
3号館127大会議室
講演者
白井 朋之
講演者所属
九大マス・フォア・インダストリ研究所
概要

パーシステントホモロジー論は時間軸のようなパラメータを含んだ形でのホモロジー論である.今世紀初めあたりから計算トポロジーの立場で多くのパーシステントホモロジーのソフトウェアが開発され,それらは蛋白質の解析,材料科学,画像認識など種々の応用分野においていわゆる位相的データ解析の道具として利用されている.これらのデータ解析の問題ではつねにノイズを伴うので,応用研究の立場で確率論的・統計的な処理が必要であることは言うまでもないが,純粋にランダムな対象のトポロジーを調べるという理論的な観点からも多くの興味深い問題を見いだすことができる.例えば,ランダムな複体のベッチ数などは非自明な確率変数として最近活発に研究がなされている.本講義ではランダムトポロジーの中でも特にランダム点配置とランダム複体のパーシステントホモロジーの問題に焦点をあてて,それらの問題においてトポロジー・確率論・組合せ論などが密接に関わる様子の解説を試みたい.