Date
2024/12/18 Wed 16:45 - 17:45
Room
RIMS110号室
Speaker
田中健一郎
Affiliation
東京科学大学
Abstract
本講演では,実軸を含む帯状の領域で所定の減衰を持つ解析関数の近似理論について述べる.このような関数は,変数変換型数値計算法を用いるときに現れる.この方法の典型的な例として,関数近似のための二重指数Sinc公式(DE-Sinc公式)や数値積分のための二重指数関数型公式(DE公式)がある.これらは,実軸上での関数の二重指数関数的減衰をもたらす変数変換に基づいており,関数やその積分の近似精度を向上させる.これらの公式は,実軸を含む帯状領域上で二重指数関数的な重みを持つHardy空間上で評価した場合に,ほぼ最適であることが知られている.しかし,最適な公式はこれまで明示的に知られていなかった.そこで,帯状領域上の一般的な重みを持つ重み付きHardy空間における解析関数の近似理論を考察する.より正確には,我々の目的は(i)空間における関数とその積分の最良近似精度の正確な評価と,(ii)その評価に基づいて正確な近似式を構築する一般的な手順の発見である.目的(i)について,本講演ではいくつかの結果を示す.さらに目的(ii)について,関数近似と数値積分のための標本点を得るための簡単な方法を示す.この方法は,離散エネルギーの凸最小化問題に基づいている.この問題を標準的な最適化手法で解くことにより,高精度な公式を実現する標本点を得ることができる.また,最小化問題の連続対応物の双対定理により,公式の理論的収束解析も与える.
16:15- Tea