ゼミ概要
令和6年度は、M1が5名、M2が5名保険数学ゼミに所属しており、講義やゼミを通して、 保険数学に関連する様々なテーマを学習しています。ゼミでは、講師を交えた参加者全員で活発な議論を行っています。
ゼミで取り組んでいるテーマ
生命保険の数理、年金数理
- アクチュアリーにとって必要不可欠な保険料の計算、 保険商品収益の計算などの実務力を養います。
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- 使用図書:『アクチュアリーのための生命保険数学入門』
- ISBN:978-4000062800
- 使用図書:日本アクチュアリー会テキスト『年金数理』『保険1』『保険2』等
リスク管理の基礎
- リスク管理に必要な損失分布や定量的リスク管理手法を習得します。
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- 参考図書:日本アクチュアリー会テキスト『損保数理』
- 参考図書:『リスクセオリーの基礎』
- ISBN: 978-4563010089
- 参考図書:『定量的リスク管理』
- ISBN: 978-4320018631
確率論
- 確率論の基礎をゼミ生が主体的に学びます。
数理ファイナンス
- 数理ファイナンスの基礎を習得します。
Modeling
- 汎用性の高い統計ソフト「R」を用いて、モデリングの実務力を高めます。 ゼミ参加者内での相互アドバイス・切磋琢磨にてレベルアップを図っています。
証券投資論
- ALM(資産負債総合管理)に必要な投資(資産運用)に関する基礎をゼミ生が主体的に学びます。
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- 使用図書:『新・証券投資論』
- ISBN: 978-4532133726
アクチュアリアルマネジメント・リスク管理概論
- 現役のアクチュアリーが中心として運営するゼミで、アクチュアリアルマネジメントやリスク管理などアクチュアリーの実務の基礎を習得します。
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- 使用図書:『Understanding Actuarial Management』
- ISBN: 978-0858130746
Stochastic Modeling
- リスク管理などに応用できる確率論的なシナリオを用いたモデリング手法を学びます。
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- 参考図書:『Stochastic Modeling - Theory and Reality from an Actuarial Perspective -』
- ISBN:978-0981396828
ゼミ生からのメッセージ
杉本 嵐(2023年度入学)
- 数学を使った仕事がしたいがしたいという方におすすめなのが、アクチュアリーという職業です。このゼミでは、そのアクチュアリーという職業について、様々な観点から学ぶことが出来ます。また、アクチュアリー試験や就職活動について切磋琢磨し、アクチュアリーになりたいという志をもつ仲間と出会うことも出来ます。アクチュアリーを目指す人はもちろんのこと、将来数学を使って仕事をしたり、社会に貢献したりしたいという人は是非このゼミに参加してほしいです。
小寺 貴大(2023年度入学)
- このゼミの良いところとしては、①週5回行われるゼミでアクチュアリーに必要な素養を様々な観点から培うことができること、②指導教員が全員アクチュアリーとして活躍されている方なので、質問や相談を通じてアクチュアリーに関する情報を手に入れやすいこと、③保険数学の学習を通じて、数学が社会にどのように役立てられているのかを学ぶことができること、が挙げられると思います。そのため、特にアクチュアリーを目指す人にとっては理想的な環境で学ぶことができると思います。
岩崎 響(2022年度入学)
- 数学科に所属する多くの方は、アクチュアリーという職業の存在をご存じだと思います。実際に目指そうか迷っている方もいるのではないでしょうか。このゼミではアクチュアリーの存在意義に始まり、実務内容や業界の抱える問題意識等、様々な観点からアクチュアリーについて学べます。さらに志を共にする仲間と学習に励むことができるため、その相乗効果は計り知れません。アクチュアリーを目指すか否かにかかわらず、自らの数学的な素養と社会とを関連させたいと考えている方には、このゼミは良い架け橋になることと思います。
日高 立博(2022年度入学)
- 私は学部生の時には整数論専攻で、保険数学とはあまり関わりがありませんでした。そのため入学当初はついて行けるか不安だったのですが、わかりやすい指導と頼りがいのある仲間のおかげで、インターンで「保険の知識をたくさん持ってメインで議論を進めていた。いなかったら大変だったと思う。」などと評価していただけるまでになりました。もちろん1から学習を始めるのは楽なことではないですが、必要な環境は整っています。初学者の方であってもアクチュアリーを志しているならば是非来てほしい場所だと思っています。
卒業生の修士論文テーマ(例示)
修論のテーマの確認はこちらをクリック下さい。
- 人口流動によるSIRモデルの複数地域への拡張と予測精度の改善
新型コロナウイルスによる死亡水準変動への影響の考察
貸借額の従属性に着目した資金取引のシステミックな信用リスク分析
自動運転の普及による自賠責保険の変化に関する考察
日経平均株式市場における複素ヒルベルト主成分分析の有効性検証
ランダム効用理論に基づく保険商品市場競争に関する考察
リアル・オプション法を用いた損害保険事業モデルへの再保険と所要資本の考慮
グリーンファクターを組み込んだ CAPMによる最適なポートフォリオ配分の考察
伝統的商品と低・無解約型商品の解約率変化に伴うリスクとリターンの違い
破産理論モデルを応用した生命保険契約群団規模毎のリスク分析及び有配当生命保険商品のリスク検証に関する一考察
COVID-19 のワクチン接種政策に関する考察
ニューラルネットワークを利用した死亡率の将来予測
コロナ危機が生命保険会社に与える影響 ~死亡率変動と収支に関する考察~
長寿リスクへの備えとしての Multideath Fair Tontine Annuityの有用性の考察
日本の自動車保険需要に影響を与える要因の考察
ESG株式投資に関する一考察 ~非財務情報としての環境ファクターと株価への影響~
COVID-19流行に対する防疫戦略の効果についての考察
ソルベンシーマージン比率に関する一考察 ~損害保険会社の保険リスクについての統計的考察~
TVFモデルを発展させた死亡率曲線の数理モデルと生命表の将来推計への応用
Volterra Heston modelの下でのHARA型期待効用最大化問題
トンチン年金の類型が持つ死亡に関するリスクの考察
CATボンドのプレミアム算定に関する一考察
ポートフォリオ理論を用いたスマートベータの構築と日本株式市場におけるパフォーマンス分析
カナダとアメリカにおける遺伝子検査情報の生命保険に対する影響の比較と再現
要支援・要介護認定に影響を及ぼす危険因子の推定と危険因子が要介護発生率へ与える影響
世代重複モデルを用いた医療保険の導入についての動学的マクロ分析
気温デリバティブにおけるインデックス比較
状態空間モデルを用いた死亡率モデルの表現とモデル選択について
医療保険の将来変動(医療インフレ) リスク~インデックス方式の保険料改定スキームについて~
長期介護保険商品におけるリスク分析
Recovery Theorem の保険商品への応用についての考察
確定給付企業年金における現行の積立基準の課題点とその対応
欧州生命保険会社における企業価値開示に関する一考察
Gerber-Shiu function を用いたCredit Default Swap の価格付け
機械学習を用いた要介護率の将来予測に関する考察
機械学習の手法比較と考察 -R による株価データ予測-
標準利率についての考察
保険料算出原理の特徴づけについて
医学的視点を踏まえた将来死亡率推計
金利の期間構造モデル~スポットレートモデルからアフィンモデルへの展開~
保険会社における資産・負債評価のためのプロキシ・モデルの使用について
死因別死亡率から見た将来死亡率推計
Scale functionによるValue functionの表現とそのリスク管理への応用
小データでのリスク定量モデルについての一考察
openモデルによるボーナス・マラス制度(BMS) の保険料決定と考察
Vineコピュラによる相互関係構造把握と、信用システミック・リスクの定量的評価について
一般化線形モデルの生命保険分野への応用
CAT ボンドを用いた再保険リスクヘッジによるリスク削減効果の検証
最低保証付変額年金のヘッジに関する評価について
純資産変動に対するリスクバッファーについて
一般化線形モデルを用いた日本銀行の国債買入れに伴うポートフォリオ・リバランス効果の分析
擬似値を用いた介護保険の推移確率推定
金利変動を仮定した為替オプションの評価算定
現物給付型保険に関する一考察
従属性を考慮した VaR の評価
日本の自動車保険等級制度改定の分析と考察
MCMC法による生存率の予測と分析
米国と日本における基礎率設定方式の差異とその背景
英国の確定給付型企業年金から見る長寿リスクのヘッジ方法
死因除去による平均余命の伸び ~コピュラを用いて~
ソルベンシー2におけるエコノミックキャピタル算出のための内部モデル高速化アルゴリスム~NS-アクセラレータ~
経済価値評価について
プロビット変換を用いた死亡率の分析と予測
信用リスク評価モデル
信頼性理論における Credibility Estimator
リスク管理におけるコピュラに関する考察
各国の年金制度
支払備金における予測誤差
VaR の性質と問題点
イギリスの年金制度
金利モデルに関する考察
生命保険数学における確率論的アプローチ
生命保険モデルの多重状態への一般化
コーホート効果を考慮に入れた死亡予測のモデル
様々の死亡率予測モデルの比較
P-spline モデルで見る日本の死亡率
企業会計からみた確定給付型年金とCB(キャッシュバランス)プラン
Lee-Carter法の様々な拡張の紹介と各手法の比較
エンベディッド・バリューの計算について
最低保証付き変額年金保険の責任準備金について
欧米各国に見る、我が国の年金制度への示唆