輻射輸送方程式の係数決定逆問題に対するリプシッツ安定性

Date
2020/10/21 Wed 16:30 - 17:30
Speaker
町田学
Affiliation
浜松医科大学
Abstract

様々な自然現象が何かしらの偏微分方程式で記述できることを反映して、解の値から方程式の源泉項や係数を決める逆問題は、理学、工学、医学、産業の様々な場面に登場する。一つの例は医学におけるイメージングで、手術をすることなく体の中を見ることができる。このような逆問題は、方程式が線形でもその逆問題は非線形になったり、多くの場合で非適切(ill-posed)な問題になる、という事情から数学としても深みのある研究対象になる。本講演では、積分微分方程式である輻射輸送方程式の係数決定逆問題を考える。境界値の一回観測において、この逆問題のリプシッツ安定性が条件付きで得られることを、カーレマン評価を用いて証明する。この問題は15年ほどの歴史があるが、これまでは未知である係数についての先験情報などの、ほとんど非現実的な仮定が必要であった。今回、これらの非現実的な仮定を取り除くことができた。本講演は山本昌宏教授(東大数理)との共同研究に基づく。

【開催方法・参加方法】
本談話会はZoomを用いてオンラインで開催します.それに伴い事前登録が必要です.以下の登録フォームから参加登録を行ってください.

https://forms.gle/HAN5YjF3ntjWum5R9

締め切りは10月16日(金)18時です.