偏微分方程式に対する精度保証付き数値計算と符号変化構造解析への応用

Date
2019/12/17 Tue 16:30 - 18:00
Room
6号館809号室
Speaker
田中 一成
Affiliation
早稲田大学 理工学術院総合研究所
Abstract

精度保証付き数値計算(「数値的検証法」「計算機援用証明」等とも呼ばれる)は解析的手法の適用が困難な偏微分方程式に対しその解の存在性証明を与えることができる.特に数値的に得た近似解wと真の解uとの適切なノルムの意味での誤差評価r=||u-w||を定量的に与えることも本手法の特徴である.しかし一般に,rがどんなに小さかったとしてもwとuの符号変化構造が一致するとは限らない.例えば非負関数wに対して,L∞ノルムの意味での非常に精密な誤差評価が与えられたとしても,uが非負とは言い切れない.本講演の主題は,半線形楕円型方程式を対象とし,あるノルムの意味での精度保証結果r=||u-w||が与えらたときに,uとwの符号変化構造は一致するか?そうでない場合どの程度違うか?という疑問を解決することにある.特に1つの例として多重解を持つ定常Allen-Cahn方程式を取り上げ,その精度保証された解uの符号変化構造を決定,または評価する.