Date
2024/10/23 Wed 16:45 - 17:45
Room
3号館110講演室
Speaker
Goro Akagi
Affiliation
Tohoku University
Abstract
拡散の古典論から逸脱するいわゆる異常拡散はさまざまな文脈で
登場するが、その数学モデルの一つである非線形拡散 (nonlinear
diffusion) の研究は古くは Boltzmann にまで遡る。ここでは最も
シンプルながら非線形拡散の典型的な特異性を示す冪型の拡散
係数を伴う非線形拡散方程式に焦点を当て、その数学的構造や
解の性質について概観し、正常拡散との差異について考察する
とともに、非線形拡散方程式を解析するための函数解析的手法
とそれを用いた解の漸近形の定量的解析に関する近年の進展に
ついて概観する。