p-adic differential equations and geometricity

Date
2023/11/01 Wed 16:45 - 17:45
Room
RIMS110号室
Speaker
Tomoyuki Abe
Affiliation
The University of Tokyo, Kavli IPMU
Abstract

整数論に限らず有理数係数多項式を係数に持つ常微分方程式は様々な数学で現れる.例えば超越数論ではそのような常微分方程式を満たす級数が大きな役割を果たすし,ミラー対称性における量子接続の計算でも現れるという.そのような場面でしばしば重要になってくるのが微分方程式の「幾何学性である」.つまり,与えられた常微分方程式がピカール・フックス型の微分方程式かどうかという問いである.このような「幾何学性」に関する問いは数論の最も深い場所に位置し,ラングランズ予想やHodge予想など随所にみられる.一方で,このような問いに対する一般的な答えを出すことは現代の数学では全くの夢といってよい状態である.このように有理数係数ではほぼ不可能な問題である一方,局所化したp進微分方程式になると色々なことが分かっている.本講演ではp進微分方程式の幾何学性に関して議論をし,今後の展望などについても語りたい.