開催日時
2026/06/03 水 16:45 - 17:45
場所
RIMS110号室
講演者
岡部真也
講演者所属
東北大学, 大学院理学研究科 数学専攻
概要
本講演では、曲率の導函数の二乗積分として定義されるイデアル汎函数に対する勾配流に関して、近年の研究の進展について述べる。より正確には、曲線の長さによる適当な制約を付したイデアル汎函数に対する勾配流を平面閉曲線の場合に考察する。長さ汎函数による適当な制約を付したイデアル汎函数は、形式的に、Eulerのスパイラルを臨界点とする。Euler のスパイラルが初めて登場するのは1694年にJames Bernoulliが提唱した弾性体問題である。同時に提唱されたもう一つの弾性体問題は変分的な定式化がL. EulerとD. Bernoulliにより後になされ、彼らが提唱した曲げエネルギーは今も数学的な研究対象であり続けている。一方、イデアル汎函数については2020年に初めてその勾配流が考察されるまで、数学的な研究対象とはされてこなかった。近年、イデアル汎函数に関する数学的研究が幾つかなされ、曲げエネルギーとの違いが数学的に示されつつある。本講演では、長さの制約を付したイデアル汎函数を対象として、講演者の最近の研究結果も踏まえてイデアル汎函数の変分的構造について時間の許す範囲で紹介したい。