導来Hall代数の幾何学的構成

開催日時
2021/12/22 水 16:45 - 17:45
講演者
柳田 伸太郎
講演者所属
名古屋大学多元数理科学研究科
概要

導来Hall代数とはToenが2006年に導入した、Ringel-Hall代数の「複体版」です。Rin
gel-Hall代数についてはLusztig構成と呼ばれる幾何学的構成が知られていますが、
その導来Hall代数での類似として、導来スタック上の構成可能層の導来無限圏と導来
函手の理論を作ることができます。そして導来Hall代数を導来代数幾何学的に構成す
ることができます。今回はこの理論の概略をお話しします。内容はプレプリント "Ge
ometric derived Hall algebra" (arXiv:1912.05442) に基づきます。

Ringel-Hall代数はある種の有限性を満たすAbel圏にいて定義されるもので、その幾
何学的構成は対象(例えば箙の表現)のモジュライ空間上の構成可能層の導来圏と導
来函手を用いてなされます。この場合、モジュライ空間は代数スタックで実現できて
いて、導来圏の理論もLaszlo-Olssonによって通常の代数幾何の範疇で整備されてい
ます。

導来Hall代数の場合は複体のモジュライ空間を考える必要があって、そこで導来代数
幾何学が必要になります。複体のモジュライ空間はToen-VezzosiやToen-Vaquieの仕
事により幾何学的導来スタックで実現できることが分かっているので、その上の構成
可能層の導来圏と導来函手を導入すれば良いです。そこで、前に触れた、Laszlo-Ols
sonによる代数スタック上の構成可能層の理論を上手く導来してあげる、というのが
この話の主旨です。

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