Homogenization of Hamilton-Jacobi equations on the Sierpinski gasket

開催日時
2021/10/05 火 15:30 - 16:30
講演者
中安 淳
講演者所属
京都大学
概要

本講演では典型的なフラクタルであるシェルピンスキー・ギャスケット上でその自己相似性に基づいて構成される振動発散するハミルトニアンの列に対して,ハミルトン・ヤコビ方程式の初期値問題の解の列の収束について考える. これは Lions-Papanicolaou-Varadhan の周期設定でのハミルトン・ヤコビ方程式の均質化から着想を得た,フラクタル上の均質化と呼ぶべき問題である. フラクタルで考えるにあたっては解の枠組みとして Gangbo-Swiech の距離粘性解を採用する. また実効ハミルトニアンひいては極限方程式がどうなるかが問題だが,周期設定で知られていた min-max 公式と呼ばれる下限上限型公式に基づくことで,この問題に解決の筋道をつけた. 本講演ではフラクタル上の均質化の最初の部分的な結果として,初期ハミルトニアンの連続性,強圧性,準凸性の仮定の下で距離粘性解の下半極限が極限方程式の距離粘性優解になることを示す.

備考:本セミナーはZoomオンラインセミナーとして開催します。