New realization of cyclotomic q-Schur algebras

開催日時
2015/05/14 木 13:30 - 15:00
講演者
Kentaro Wada
概要

G(r,1,n)型の複素鏡映群に付随した cyclotomic q-Schur 代数は Ariki-Koike 代数の quasi-hereditary cover の1つである。r=1の場合,cyclotomic q-Schur 代数は古典的な q-Schur 代数そのものであり, q-Schur 代数は一般線形リー代数に付随する量子群の商代数であることが知られている。量子群の Hopf代数としての構造と普遍R-行列によって,(nを全て動かした)q-Schur 代数の加群圏上にはモノイダル構造が定まる。r>1の場合には,そのような構造は知られていないが,Rouquier-Shan- Varagnolo-Vasserot によって得られているアファイン一般線形リー代数のアファイン放物型圏O との関係等によって,cyclotomic q-Schur 代数の加群圏上にもモノイダル構造が定まることが期待される。この講演ではその可能性の1つについてお話ししたい。
 まず,r個に分けられた一般線形リー代数のカルタンデータに付随してリー代数 g を導入する。r=1 の場合は一般線形リー代数に付随したカレントリー代数そのものであり,r>1 の場合,リー代数 g はカレントリー代数の filtered deformation になっている。すると q=1 の場合の cyclotomic q-Schur 代数は,このリー代数 g の普遍包絡代数の商代数となる。次に,リー代数 g の普遍包絡代数の q-類似として代数 U_q を導入し,cyclotomic q-Schur 代数を U_q の商代数として実現する。その後,(まだ分かっていないことが多いが) リー代数 g やその q-類似 U_q の表現論について可能な限り説明したいと思います。

なお、講演は数研006号室で行われます。