Date
2024/11/13 Wed 16:45 - 17:45
Room
RIMS110号室
Speaker
Hiroyasu Miyazaki
Affiliation
NTT Communication Science Laboratories
Abstract
モチーフ理論の究極目標のひとつは代数幾何や数論幾何にあらわれる「良い」コホモロジーたちを統合することである.「良い」の意味を定めるごとにモチーフ理論の枠組みは変わる.
なるべく多くのコホモロジーを対象にしたいと思えば「良い」の意味は弱くすべきだが,あまり弱めすぎると面白い結果が得られないため,いい塩梅の「良さ」を選定することが肝心である.優れたモチーフ理論の例としては,「良い」=Weilコホモロジーとして得られる純モチーフ理論や,「良い」=$\mathbb{A}^1$-ホモトピー不変コホモロジーとして得られる混合モチーフ理論が挙げられる.混合モチーフ理論は純モチーフ理論の一般化とみなすことができる.
本講演では上記の2つの理論について簡単に述べたのち,混合モチーフ理論の一般化として講演者らが構築したモジュラス付きモチーフ理論の概要を紹介する.この一般化により,従来は扱えなかったホッジコホモロジーやホッジ-ヴィットコホモロジーなどを新たにモチーフ理論で制御できるようになることも述べる.本講演の内容はBruno Kahn氏,齋藤秀司氏,山崎隆雄氏,Shane Kelly氏,小泉淳之介氏とのいくつかの共同研究にもとづく.