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授業科目名
<英訳>
数理ファイナンス
Mathematical Finance
担当者氏名 重川 一郎
配当学年 4回生以上 単位数 開講期 後期
曜時限 月3 授業形態 講義 科目番号 4133
[授業の概要・目的]
数理ファイナンスとは金融分野にかかわる問題を数学的な枠組みを与えて、数理的に解明することを目的としている。金融市場においては、不確実な確率的要素が深くかかわってきており、そのために確率論的な枠組みと理論が不可欠のものとなってきている。近年発展してきた数理ファイナンスの理論はブラックとショールズによる革新的な理論に端を発している。そしてそこでは確率微分方程式や伊藤の公式をはじめとする確率解析の手法が縦横に使われている。
この講義では、そうした金融工学において必要となる確率論的な手法を離散モデルから初めて入門的に講義する。Black-Scholes モデルが最も基本的であり、その数学的な意味を理解することを目的とする。
[到達目標]
1. 株などの原資産から派生した商品としてのオプションの意味を理解する。
2. オプションの価格付けが、無裁定条件により同値マルチンゲールによる平均で与えられることを理解する。
3. 基礎となる確率論的な概念を自由に使えるようになるとともに、マルチンゲールなどの基本概念の数学的な意味を理解する。
4. Black-Scholes モデルなどの具体的な問題の計算が復習を通じて実際に行えるようにする。
[授業計画と内容]
ブラック-ショールズモデルを用いたオプションの価格付け理論を中心に、以下の話題について項目ごとに2〜3回講義を行う。

1. 基礎概念と 2項モデル
2. 離散モデル
3. 数理ファイナンスの基本定理
4. 離散アメリカ型オプション
5. 伊藤解析
6. Black-Scholes モデル
[履修要件]
予備知識として、「確率論」を履修しておくことが望ましい。
[成績評価の方法・観点及び達成度]
試験またはレポートによる。
[教科書]
使用しない。
[参考書等]
R.J. Elliott, P.K Kopp『Mathematics of Financial Markets』(Springer) ISBN:978-0-387-21292-0
[授業外学習(予習・復習)等]
1. 確率論の概念は基本なので確率空間、確率変数、平均、などの概念を復習しておくこと。
2. 講義で説明されたことは、具体的な問題を通じて実際の計算ができるようにする。
[その他(オフィスアワー等)]
※オフィスアワーの詳細については、KULASISで確認してください。