平成22年度 数理科学A (金曜二限)
- 担当者
坂上貴之(講師)
- お知らせ
- (1/21) 次回2月4日は最終講義の日です.
- (1/21) 期末試験は実施せず,レポートの点数で評価します.
- (12/24) 第四回レポートが出されました(提出期限1月21日)
- (12/17) 1月7日(出張のため),1月14日(センター試験のため),1月28日(修士論文発表会のため)は休講とします.
- (12/ 6) 第三回レポートの問題1を修正しました(提出期限12月24日) 新しいレポート問題は こちら
- (11/26) 第三回レポートが出されました(提出期限12月24日)
- (11/12) 来週11月19日は休講です.
- (11/ 5) 第二回レポートが出されました(提出期限11月26日)
- (10/15) 第一回レポートが出されました(提出期限11月12日)
- 講義目的
数値解析と数値計算の数学的基礎とその応用について解説する.
単に数学の理論のみならず, その数値解析方法の計算機への実装・応用能力
も重視する.
- なぜ数学科で数値解析か?
数値解析は数理科学の 研究の最先端で必要
であるばかりか, 将来 計算機(シミュレーション)に関わる
職業につく上での基礎ともなる.
近年, 計算機の普及によってソフトウェアも充実したために
かえってその動作原理などを知らなくても結果が簡単に得られるようになったが,
このことは社会において最先端のシミュレーションのニーズが深まる一方で, その
背景にある理論の理解が深まっていないという現状を生んでいる. こうした状況
に鑑みて数学科でこうした数値計算を学ぶことには非常に意義がある.
- 評価の方法
講義はオリジナルの講義ノートに基づいて行うが、そのベースとなった
参考教科書は 共立出版「数値解析」(森 正武)である. 全体で三回から四回程度の
理論レポートを課す. 期末試験も実施する.
- 講義内容
以下の内容を講義する
- 線形方程式の数値解法 (直接法・反復法・共役勾配法)
- 非線形方程式の数値解法 (Newton法)
- 常微分方程式の数値解法(初期値問題・境界値問題)
- 数値積分(台形公式, DE公式)
- 講義記録
- 10月1日 講義ガイダンス,第0章 数値解析と数値計算
丸め誤差(浮動小数点計算,IEEE規格,丸め誤差,桁落ち・情報落ち・組み込み関数
など)第1章 線形方程式の数値解法 1.1ベクトルと行列のノルム
(ノルムの定義,n次元ベクトルのノルム)
- 10月8日 1. 1つづき(ノルムの同値性, 行列のノルム, スペクトル
半径, スペクトル半径と行列のノルム, ノルムの具体的計算方法)
1.2 丸め誤差の影響と条件数 (条件数の定義, 固有値と条件数の関係)
- 10月15日 1. 2 丸め誤差の影響と条件数つづき(条件数と数値解の
相対誤差の関係) 1. 3 直接法( Gauss消去法、桁落ちと枢軸選択、枢軸選択)
- 10月22日 1. 3 直接法( Gauss消去法のアルゴリズム,LU分解,
LU分解法,三重対角行列のLU分解法)1.4反復法(反復法の原理,ヤコビ法,
ガウスザイデル法,SOR法)
- 10月29日 1.4反復法(反復法の収束,縮小写像,縮小写像の原理,
丸め誤差の評価,優対角行列,優対角行列のヤコビ法の収束性)
- 11月 5日 1. 4反復法(正定値対称行列のガウス・ザイデル法の
収束性)1. 5 共役勾配法(逐次近似法,共役勾配法)
- 11月12日 1.5共役勾配法(共役勾配法の構成,アルゴリズム,
前処理について)第二章 非線形方程式の解法 2.1Newton法(問題設定,
一変数のNewton法,Newton法の構成)
- 11月26日 (例 二変数のNewton法の解法,収束の速さ,二次収束)
2.2 Newton法の収束(不動点定式化,縮小写像の原理,収束のための十分
条件,例 一変数の場合の収束,打ち切り誤差,丸め誤差の影響)
- 12月 3日 第三章 常微分方程式の初期値問題の数値解法 3.1
問題設定と数学的背景(問題設定,常微分方程式の解の存在と一意性について,
p段公式,陽的・陰的公式,p次公式)3.2 陽的一段公式(オイラー法,ホ
イン法,ルンゲクッタ法)
- 12月10日 3. 2 つづき(局所打ち切り誤差、累積誤差、ホイン法
を例に) 3. 3 陽的一段公式の誤差評価(誤差評価の定理の証明)
- 12月17日 第四章 常微分方程式の境界値問題の数値解法(問題設定,
差分方程式の導出,差分方程式とその可解性,局所打ち切り誤差,適合性)
- 12月24日 4 つづき(丸め誤差の影響,安定性,収束性)
5 一変数関数の数値積分法(問題設定,台形公式,ベルヌーイの多項式,
ベルヌーイ数)
- 1月21日 5 つづき(ベルヌーイ多項式の微分の性質,ダルブーの公式,
オイラー・マクローリンの総和公式,台形公式の誤差評価)
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