平成23年度 数理科学A (金曜二限)
- 担当者
坂上貴之(講師)
- お知らせ
- (1/20) 第五回目レポート課題が出されました.提出期限 2月 3日
- (1/6) 休講のお知らせ.1/13(センター試験準備日)1/27(修士論文審
査会)
- (12/16) 第四回レポート課題が出されました.提出期限 1月 6日
- (11/18) 第三回レポート課題が出されました.提出期限12月16日
- (11/18) 第二回レポート課題が出されました.提出期限12月 2日
- (10/21) 第一回レポート課題が出されました.提出期限11月 4日
- (10/1) 講義は10月14日より開始します.
- 講義目的
数値解析と数値計算の数学的基礎とその応用について解説する.
単に数学の理論のみならず, その数値解析方法の計算機への実装・応用能力
も重視する.
- なぜ数学科で数値解析か?
数値解析は数理科学の 研究の最先端で必要
であるばかりか, 将来 計算機(シミュレーション)に関わる
職業につく上での基礎ともなる.
近年, 計算機の普及によってソフトウェアも充実したために
かえってその動作原理などを知らなくても結果が簡単に得られるようになったが,
このことは社会において最先端のシミュレーションのニーズが深まる一方で, その
背景にある理論の理解が深まっていないという現状を生んでいる. こうした状況
に鑑みて数学科でこうした数値計算を学ぶことには非常に意義がある.
- 評価の方法
講義はオリジナルの講義ノートに基づいて行うが、そのベースとなった
参考教科書は 共立出版「数値解析」(森 正武)である. 全体で三回から四回程度の
理論レポートを課す. 期末試験も実施する.
- 講義内容
以下の内容を講義する
- 線形方程式の数値解法 (直接法・反復法・共役勾配法)
- 非線形方程式の数値解法 (Newton法)
- 常微分方程式の数値解法(初期値問題・境界値問題)
- 数値積分(台形公式, DE公式)
- 講義記録
- 10月14日 第0章 数値解析と数値計算(浮動少数点表示,丸め誤差,
桁落ち,情報落ち,組み込み関数)第1章線形方程式の数値解法 1.1 ベクト
ルのノルムと行列のノルム(ベクトルのノルム,ベクトルの内積,ノルムの
同値性,行列のノルム,スペクトル半径,行列のノルムの計算法)
- 10月21日 1.2 丸め誤差の影響と条件数(条件数の定義,条件数と
スペクトル半径,条件数と丸め誤差)1.3 直接法(Gauss消去法,枢軸選択,
例,LU分解法,LU分解法のアルゴリズム)
- 10月28日 1.3 直接法つづき(三重対角行列のLU分解とアルゴリズム
と計算量)1.4 反復法(反復法のアイデア,ヤコビ法,ガウスザイデル法,
SOR法,縮小写像,縮小写像の原理,反復法の収束,反復法の収束の必要十分
条件,丸め誤差の影響)
- 11月 4日 1.4 反復法つづき(優対角行列,優対角行列のヤコビ法の
収束,正定値対称行列,正定値対称行列のGauss-Seidel法の収束)
1.5 共役勾配法(最小化問題への定式化,逐次近似法,共役勾配法の構成)
- 11月11日 第二章 非線形方程式の数値解法 2.1 Newton法(問題
設定,Newton法の定式化,Newton法の実装方法,Newton法の二次収束)
2.2. Newton法の収束(不動点定式化,縮小写像,収束のための十分条件,
近似誤差,丸め誤差の影響)
- 11月18日 第三章 常微分方程式の数値解法 3.1 常微分方程式の
初期値問題(問題設定,解の一意存在定理,k段公式,陽的・陰的公式,
p次公式)3.2 陽的一段解法(Kutta型陽的p段公式,オイラー法,ホイン法,
ルンゲクッタ法,局所打ち切り誤差,ホイン法の誤差解析)
- 11月25日 3.3 一段解法の誤差解析 3.4 多段階法の例(関数補間
に基づく公式,アダムス型公式,アダムス・バシュフォース法,アダムス・
ムルトン法)
- 12月 2日 3.4 多段階法の例(アダムス型公式の具体例,関数補間
の微分を用いた多段階公式) 第四章 常微分方程式の境界値問題(問題設定,
差分近似とその可解性)
- 12月 9日 第四章(つづき)(差分解法の適切性,収束性,安定性の証明)
- 12月16日 第五章 数値積分法 (問題設定)5.1 台形公式と近似精度
(台形公式,ベルヌイ多項式,ベルヌイ数,ダルブーの公式)
- 1月 6日(ダルブーの公式証明,オイラー・マクローリンの総和公式,
- 1月20日 5. 2 変数変換型公式(IMF公式,二重指数型公式)
台形公式の誤差評価)
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