RIMS共同研究(グループ型)
「統計的モデリングと予測理論のための統合的数理研究の展開」

講演アブストラクト(講演順)

講演アブストラクトPDF版) (プログラムはこちら

◊ 宮路智行(明治大学先端数理科学インスティテュート)
「統計的にセル・オートマトンをモデルする:その展開と展望」
時空間データから統計的にセル・オートマトンモデルを構成する統計的CA構成法について,手法の妥当性を裏付ける理論の整備と手法の精緻化という二つの観点から,これまでの研究と今後の課題について議論する.また,バーガース方程式を例にとり,超離散化手法との関連について考察したい.
◊ 大林 一平(理化学研究所 革新知能統合研究センター / 東北大学 材料科学高等研究所)
「位相的データ解析の最近の研究動向について」
位相的データ解析、特にパーシステントホモロジー(PH)の最近の研究動向について色々紹介する。
   * PHの基礎理論について
   * PHの拡張
   * ランダムトポロジー
   * PHの統計/機械学習の手法
   * 応用
などについて紹介する予定である。我々が開発しているPHによるデータ解析ソフトウェアHomCloudについても紹介する。
◊ 宇田 智紀(東北大学材料科学高等研究所)
「離散レーブグラフの理論と応用 〜流れの位相的データ解析に向けて〜」
2次元流れの流線構造の位相的特徴を捉え文字化する理論が坂上・横山らによって提案され,その幅広い応用可能性への期待から計算機実現が急務となっている.本講演では,パーシステントホモロジーに基づいた離散版レーブグラフの理論と,そこから導かれる流線構造の抽出アルゴリズムを紹介する.
◊ 森田 英俊(京都大学大学院工学研究科),青井伸也,土屋和雄,國府寛司
「倒立バネ振り子モデルによるヒトの歩行・走行・転倒の分岐」
ヒトの歩行・走行の簡単なモデルとしてハイブリッド力学系モデルが提案されている.歩行や走行のアトラクターとその吸引域だけでなく,転倒を示す領域も存在し,パラメータによってそれらの様相は変わる.その力学系としての機構を探る。前回の共同研究で,単純化した(鉛直方向)一次元運動(相空間が二次元)のハイブリッド力学系において,常にベクトル場Iにいるアトラクター(接地したままの上下運動)と,ベクトル場IとIIを行き来するアトラクター(跳躍),さらにIIからIへ戻れずに軌道が発散する振る舞い(転倒)の共存を伴う新しい分岐を発見し,その機構を解析した.今回は,まず,このモデルに類似したニュートン力学に従う物理系として,鉛直方向の倒立バネ質点モデルにおいても,同様の分岐が見られることを見る.さらに,これを水平方向を含む二次元に拡張した倒立バネ振り子モデル,特に変数の内の一つを制御した相空間が三次元の力学系モデルが,実際に前方への歩行・走行の挙動を示し,さらに転倒を含むそれらの挙動の共存を伴う分岐が見られたので報告する.
◊ 藤堂 英樹(中央学院大学現代教養学部)
「CG分野のモデル化へのアプローチ〜工学的な観点から〜」
本講演では,コンピュータグラフィックス(CG)分野の課題例とそれを解決するためのモデル化の手法に着目する.曲線と画像処理を主なトピックとし,CG分野の工学的な観点からのアプローチを紹介する.
◊ 上田 肇一(富山大学理学部数学科)
「自発的なパラメータ調整による振動子の同期現象」
振動子の相互作用によって観察される位相同期振動に関しては,その発生条件が解析されてきた。例えば,拡散結合的相互作用においては相互作用係数の符号が重要であり,その符号に応じて同位相,逆位相同期が発生することが知られている。従来の研究では結合係数はパラメーターとして与えられ,(昆虫のロコモーションで観察されるような)特徴的な振動パターンを再現するパラメーターの発見など,現象の解明に関わる研究が盛んに行われてきた。本研究では,結合振動子系自体の自己組織化の理解を目指す。結合係数を固定したパラメーターではなく変数として扱い,結合係数の値が適切に選択されるようなアルゴリズムを提案することにより,自己組織的に同期振動が発生することを示す。講演では提案アルゴリズムの工学的応用の可能性についても議論したい。
◊ 中野 直人(京都大学国際高等教育院)
「次元縮約と力学再構成〜グレブナ基底と遅延座標埋め込み〜」
遅延座標埋め込みは,力学系の部分的な変数の時系列データから元のアトラクタの情報を引き出すための時系列解析手法である.これがどう機能しているかを調べるには,力学系からの次元縮約とセットにして考えると分かりやすい.多項式力学系に対象を限定すると,グレブナ基底による次元縮約と遅延座標埋め込みによる力学再構成は対の関係にあることがわかる.本講演では簡単な例を取り,遅延座標による力学再構成をグレブナ基底による次元縮約を通じた理解を試みる.この研究は石塚裕大氏(京都大学大学院理学研究科)との共同研究である.
◊ 中嶋 浩平(東京大学情報理工学系研究科)
「Reservoir Computingの展開」
本講演では、複数の実装例を見ながら、近年のReservoir Computingの展開について紹介する。また、非線形力学の視点からReservoir Computingを見た際、どのような課題が存在するかを整理し議論する。


問い合わせ先: 中野直人 (京都大学)
        


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