研究分野

応用数学/流体力学・数理生物学・数理モデリング

生命現象に関わる流体数理(生命流体力学)


研究について

幼い頃から凝り性な割には飽きやすい性格でしたが、学部生のときに京都・鴨川デルタの川の流れに自然の複雑さを改めて感じて以来、流体力学にのめり込むようになりました。流体力学は水や空気など、日常にあふれている流れに関する伝統的な応用数学の一分野で、特に工学と密接に関わって発展してきた歴史がありますが、現代でも常に新しい問題を提供し続けています。例えば、生物の遊泳や飛翔、生体内の流れは、身近な現象で生物学として面白いだけでなく、変形や移動を伴う複雑な境界と流体の相互作用は、数理的にも魅力ある課題です。複雑な流れや生命の現象を「ありのまま」にかつシンプルに数理で表現することを目指しています。


  ・ 私の研究テーマ(生命現象に関わる流体力学)について:

        河合塾「みらいぶっく〜学問・大学なび」の記事(中高生〜一般向け)

      拙著「微生物流体力学」(理系学部生以上向け)


  ・ 研究生活・留学生活に関するエッセイ:

        白眉センター記事「閃きの瞬間」(研究の現場から)(一般向け、2018年)

        京大広報「物置きの油画」(洛書)(一般向け、2022年)

        日本流体力学会誌「小さな生き物の『ながれ』を学ぶ」(理系学部生以上向け、2023年)

        UP(東京大学出版会)「『生き物』の力学」(一般向け、2024年)


その他、プレスリリース記事や解説、取材記事等はこちらをご覧ください。


研究テーマ

生命らしさをその流動性にあると捉える「生命流体力学」の開拓を目指し、特に、低レイノルズ数流れの流体力学、アクティブマター、微生物や細胞の遊泳運動、及び関連する応用数学の研究をしています。同時に、これら数理的な手法によって多様な生命現象を解き明かすことも研究の大きな柱です。また、実際の生物画像データの解析やデータ駆動型数理モデリング、及び流体力学に基づいた新たなデータ活用法の研究も行なっています。例えば、


(1) 物体形状と流体方程式の対称性

(2) 細胞遊泳の安定性と効率性

(3) 生命の環境認知と適応的行動の数理

(4) マイクロロボットのデザインと制御

(5) ロコモーションの微分幾何学とその応用

(6) アクティブマターの流体数理

(7) 生物画像解析とデータ駆動モデル


などの研究テーマに取り組んでいます。


また、大学院では様々なバックグラウンドをもつ学生を積極的に受け入れています。

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