京都大学理学研究科 教 授 坂上 貴之
流体の運動を数学的に扱う分野を数理流体力学といいます. この公開講座では, この分野の最近の話
題の中から特に流体運動を位相幾何学(トポロジー)の観点から研究した話題を二つとりあげたいと思いま
す. 一つは流れの領域に多くの島や穴が空いている多重連結領域における流れの分類について, もう一つ
は二次元写像の位相的分類理論に基づく「効率的」な流体の混合方法です. これらは理論だけでなく応用
上も興味深い話題を提供してくれるので, その点についてもお話したいと思います.
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京都大学理学研究科 教 授 森脇 淳
「任意の三角形の各内角で三等分線を考え, 各辺に近い線同士の交点からなる三角形は正三角形で
ある」というのがモーリーの定理である. 美しい幾何の定理の一つである. コンヌは, この定理を任意の体上
で, アファイン変換群の言葉で一般化した. この公開講座では, これについて解説したい.
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京都大学理学研究科 准教授 浅岡 正幸
常微分方程式や写像の反復合成など, 決定論的な時間発展をする系を力学系と呼ぶ. 摂動したりノ
イズが加わっても元の力学系の性質が保たれる「安定性」と呼ばれる性質を持つ系を特徴づけることは,
工学などの応用面からも重要である. この講義では, 安定性とそれを特徴づける「双曲性」と呼ばれる性質
について, 具体例を中心に入門的な話をしたい.
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京都大学理学研究科 准教授 塩田隆比呂
直交多項式の一般的性質とその応用、Chebyshev, Legendre, Hermite等の古典的直交多項式と
その一般化や「q-類似」などについて、話題を選んで紹介したい。
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