現 代 数 学 展 望

 
  京都大学理学研究科数学教室
TEL (075)753-3700


 当数学教室では、以下の要領で公開講座を開催します。興味をお持ちの方の聴講を
お待ちしています。

 1. 趣   旨

 数学の近年の発展は著しく、数理科学、技術との関係も深まり、数学教育にも
大きな影響を与えています。
この情勢に鑑み、数学教育関係者、大学生、高校生をはじめ現代数学に興味をも
つ方を対象に、数学の最近の発展についての展望を与えるための講演を企画いた
しました。
内容の理解のためには大学教養程度の数学の素養がある方が望ましいですが、聴
講に際して特別な予備知識は必要ありません。


 2. 期   間

平成24年8月 8日(水)、 8月 9日(木)


 3. 時    間

    各 日 10:30 〜12:00、14:00 〜15:30


 4. 場   所

京都大学理学研究科  3号館1階110講演室


 
 5. 対  象 

数学教育関係者または現代数学に興味のある高校生以上の方 


 6. 定   員

100名程度 (先着順)


 7. 受 講 料

無料(後日返送する受講決定通知の返信はがきの提示が必要)


 8. 申 込 方 法

    官製往復はがきに次の事項を明記して送付して下さい(1名につき1枚限り)
    1.氏名(フリガナ)
    2.住所・電話番号
    3.年齢
    4.勤務先または学校名
    5.受講目的
    ※返信ハガキ宛名にも住所・氏名を記入して下さい
(郵送先)〒606-8502  京都市左京区北白川追分町 
               京都大学理学研究科数学教室 「公開講座」係
  申込期間: 平成24年6月1日〜6月30日


 

講 演 内 容


8月8日(水)
1. 10:30〜12:00
素因数分解と代数体
京都大学理学研究科 教 授  雪江 明彦 
 正の整数が素数の積に書けることはよく知られています. 有理数の集合をもっと一般化した代数 体というもので整数を考えることができ,それは不定方定式論などでも重要な役割を果たします. しかし一般の代数体では素因数分解の一意性は必ずしも成り立ちません. それが成り立ち,不定方 定式論に応用できる例と,素因数分解がどれだけ成り立たないかを表す類数というもの,およびその 計算例についてお話しようと思います.

2. 14:00〜15:30
双曲幾何の話
京都大学理学研究科 教 授  藤原 耕二 
 幾何学の対象は図形ですが,普通は,平面やxyz空間の図形についての話で,ユークリッド幾何と 呼ばれます. 今回は,それとは違う,「双曲幾何」と呼ばれる幾何学について話します. 双曲幾何は現 代数学において,ユークリッド幾何と同じくらい重要な研究対象であり,道具でもあります.


8月9日(木)
1. 10:30〜12:00
数学における量子化
京都大学理学研究科 准教授  入谷  寛 
 20世紀始めに物理で発見された「量子化」ですが,現代では数学においても(その意味はやや異 なるものの)様々な場面に量子化の考え方が用いられています.本講演ではループ空間上の経路積 分の与える「量子化」を考えます.

2. 14:00〜15:30
非線形偏微分方程式と特異性
京都大学理学研究科 教 授  堤 誉志雄 
 非線形偏微分方程式では,データは滑らか(無限回微分可能)でも,解は特異性を持つことがあ ります.これは線形偏微分方程式では起こらないことであり,非線形偏微分方程式特有の現象です. 特異性は非線形偏微分方程式の解析を困難なものとする一方で,この特異性の解析こそが非線形 偏微分方程式研究のおもしろさであるとも言えます.今回は,具体例を挙げて,非線形偏微分方程式と 解の特異性の関係についてお話ししたいと思います.


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