大学院数学基礎試験

大学院数学基礎試験

 修士課程数学基盤コースでは、数学の学修・研究を行い、最終的に修士論文を作成することが主要な課題ですが、数学の基本的な内容を理解しておくことは重要です。そのために線型代数学・線型代数学続論、代数入門、幾何学入門、集合と位相、微分積分学・微分積分学続論、函数論,微分方程式(詳細下記)についてよく復習しておいてください。これらの基礎的科目の理解度を確認し、数学基盤コースでのセミナーのグループ分けの参考とするために、「数学基礎試験」を下記の通り実施します。
 この試験で合格することは、数学基盤コースの必修科目である「数学特殊研究BI」を修了するための要件となります。また、この試験の成績によっては、希望するセミナーに入れずに、第2,第3希望に回らなければならない可能性もあります。この試験に不合格の場合は、数学基盤コースセミナーの代わりに演習形式のセミナーに参加し、10月上旬に再度「数学基礎試験」を受験してもらいます。
 過去の問題は「大学院基礎試験過去問」で閲覧できます(閲覧には ID とパスワードが必要です)。 

「数学基礎試験」内容

線型代数学・線型代数学続論

内容:ベクトル空間と線型写像、行列と行列式
   計量ベクトル空間(随伴写像、対称行列、直交行列、二次形式、
   エルミート行列、ユニタリ行列、エルミート形式、シルベスターの慣性法則)
   行列の標準化(正規行列、固有ベクトル、固有空間、固有多項式、最小多項式、
   ジョルダン分解、ジョルダン標準型)

参考書:永田雅宜 線型代数学の基礎 紀伊国屋店
    佐武一郎 線型代数学 裳華房

代数入門

内容:群、環、体などの代数系の初歩、より具体的には
   部分群、正規部分群、剰余類と剰余群、準同型、準同型定理、可解群、巾零群
   環と体、環準同型、イデアル、単項イデアル整域、素元分解整域、加群、
   単項イデアル整域上の加群、アーベル群の基本定理

参考書:堀田良之 代数入門 裳華房
    三宅敏恒 入門代数学 培風館

幾何学入門

内容:ユークリッド空間に埋め込まれた多様体について次の事柄を勉強して下さい。
   逆函数定理、陰函数定理、写像の微分可能性、曲面の定義、多様体の定義、
   接空間、写像の微分、写像の正則値(点)、写像の臨界値(点)、微分同相写像、
   多様体の向き付け、ホモトピーとイソトピー、写像度、境界のある多様体の定義

参考書:J. Milnor, Topology from the differentiable viewpointの6章まで
    (微分トポロジー講義、Springer)
    松本幸夫、多様体の基礎(東京大学出版会)

集合と位相

内容:集合と写像の基本事項(全射、単射、全単射、写像の合成)
   集合の濃度、選択公理、Zornの補題、整列可能公理
   距離空間の性質
   位相空間の定義と基本的性質(連続写像の定義、同相写像)
   分離公理、コンパクト性、連結性
   距離空間の完備化
   基本群と被覆空間

参考書:内田伏一、集合と位相(裳華房)
    加藤十吉、位相幾何学(裳華房)
    松本幸夫、トポロジー入門(岩波書店)

微分積分学・微分積分学続論

内容:実数、上限と下限、極限(ε-δ論法)、Cauchy列
   数列と級数、絶対収束と条件収束、(位相に関しては集合と位相)
   函数の連続性とその基本的性質、一様連続性
   微分の定義とその基本的性質、平均値の定理(有限増分の定理)、
   高階微分、Taylor の定理、全微分と偏微分、高階微分と微分の順序交換、 
   陰函数定理・逆函数定理、曲線の接線・曲面の接平面、極値問題(多変数・
   条件付きを含む)、函数列・函数項級数、一様収束、極限と微分・積分の
   順序交換(べき級数は函数論)
   Riemann積分とその基本的性質、微分積分学の基本定理
   積分の計算、積分の変数変換、部分積分
   初等函数、広義積分、Gamma函数、Beta函数
   曲線の長さ、曲面の面積、球の体積
   ベクトル解析(勾配、発散、回転の定義、線積分、面積分、
   Gauss-Greenの定理、Stokesの定理)

参考書:杉浦光夫「解析入門(上・下)」東大出版会
 笠原皓司「微分積分学」サイエンス社
 高木貞治「解析概論」岩波書店

函数論

内容:複素平面、べき級数、複素線積分
   複素微分可能性とCauchy-Riemannの関係式
   Cauchyの積分定理と積分公式、正則函数、Cauchyの評価式
   Liouvilleの定理、最大値の原理、Schwarzの補題
   一致の定理、複素対数函数
   Laurant展開、孤立特異点、留数と留数定理、定積分の計算
   偏角の原理、Roucheの定理

参考書:アールフォルス「複素解析」現代数学社
 野口潤次郎「複素解析概論」裳華房
 笠原乾吉「複素解析」実教出版
 楠幸男「解析函数論」廣川書店

微分方程式

内容:初等解法,線型常微分方程式,行列の指数函数,
   斉次方程式の解の空間,定数変化法,ロンスキー行列式,
   連続函数全体の空間とその性質(ノルム空間,完備性),
   初期値問題の解の存在と一意性,逐次近似法,
   コーシー・リプシッツの定理,解の接続

参考書:笠原晧司「微分方程式の基礎」(数理科学ライブラリー)朝倉書店
 高橋陽一郎「微分方程式入門」東大出版会
 柳田英二・栄伸一郎「常微分方程式論」(講座 数学の考え方)朝倉書店