3次元Q-Fano多様体の分類について

Date
2018/01/17 Wed 16:30 - 17:30
Room
RIMS110号室
Speaker
Hiromichi Takagi
Affiliation
Tokyo U
Abstract

反標準因子が豊富な射影多様体をFano多様体と呼ぶ。このような多様体を初めて系統的に扱ったのはdel Pezzo(2次元で非特異の場合)やFano(3次元で非特異の場合)であるが、今言った定義を出発点にしたのはおそらくIskovskihではないかと思う。このような単純でよい定義を得たことで、Fano多様体の様々な方向からの研究が可能になったと言える。
そのなかでも森理論(極小モデル理論)との相性は抜群である。この講演では、私自身が関わってきた3次元Fano多様体の分類に限ってお話しする。まず、既に完成している特異点がない場合の分類--Fano, Iskovskih, Fujita, Mori-Mukai, Takeuchi, Mukaiによる--を復習する。分類方法は、森理論による双有理写像を介したものと向井茂氏によるKey Varietyを用いたものと二つあるが、講演ではその双方に触れたい。最後は、この二つの分類法を特異点のある場合(この場合、しばしば、Fano多様体はQ-Fano多様体と呼ばれる)に拡張する試みについて述べる。