京都大学応用数学セミナー(KUAMS)

京都大学理学研究科数学教室では,数学の諸分野への応用研究や応用につながる可能性のある数学,また将来において数学の応用が期待される研究分野などから幅広く講師を国内外からお招きし,月一度のペースでセミナーを開いています.応用数学の特性を活かした幅広いテーマで刺激に満ちた講演を多数行っていますので,専門家の方のみならず興味をもたれる関係分野の方の参加を歓迎いたします.

 

今後のセミナー予定

 

第71回:2020年5月26日(火)16:30−18:00


Emerson G. Escolar(理化学研究所 革新知能統合研究センター / 京都大学高等研究院)
「Mapperを用いた企業の技術戦略の位相的データ解析」

Escolar_san概要: 企業はどのようにして技術革新を起こしているのか?この問いに答えるために,まずは各企業を技術空間の中にマッピングしたい.しかし,技術分野が多くあるため,技術空間は高次元であって,枝分かれやループのような構造を忠実に表現するのは一般に難しい.そこで本研究では,Mapper解析を用いることで技術空間をMapperグラフとして可視化する方法を提案する.Mapper解析というのは,近年に注目を集めている位相的データ解析の代表的な手法の一つであり,複雑なデータに内在する枝分かれやループといった構造を抽出して可視化することができる.具体的に本研究では,企業の(技術分野で分けた)特許取得件数の時系列データに適用してMapperグラフを構成した.さらに,Mapperグラフの中に枝のような特徴的な構造を観察したため,それらをフレアーと呼び,検出するアルゴリズムを提案する.また,検出したフレアーの種類と長さは,企業の業績指標と,統計的かつ経済学的な意味で有意に相関していることが分かった.
本講演は,平岡裕章氏,伊神満氏,Yasin Ozcan氏との共同研究(https://arxiv.org/abs/1909.00257)に基づく.

備考: 本セミナーは関係者のみ参加によるZoomオンラインセミナーとして行います.