京都大学応用数学セミナー(KUAMS)

京都大学理学研究科数学教室では,数学の諸分野への応用研究や応用につながる可能性のある数学,また将来において数学の応用が期待される研究分野などから幅広く講師を国内外からお招きし,月一度のペースでセミナーを開いています.応用数学の特性を活かした幅広いテーマで刺激に満ちた講演を多数行っていますので,専門家の方のみならず興味をもたれる関係分野の方の参加を歓迎いたします.

 

今後のセミナー予定

 

第79回:2021年1月26日(火)16:30−18:00


古賀 一基(京都大学数学教室)
「軸対称液滴シミュレーションにおけるメッシュ制御への信号処理的アプローチ」

Koga_san概要: 本講演では、表面張力が作用する非粘性軸対称液滴のある境界積分方程式による定式化を考え、その数値計算において解の有限時間特異点を信号処理によって捉えるメッシュ制御法の構築を目指す. 特に、滑らかな閉曲線に対して弧長変数のFourier係数をある種の不変量として導入し、それが曲線の複雑さを表現するモニター関数の生成と、数値計算法の収束性検証との両方において有効であることを示す. さらに、弧長変数のFourier係数に対するある自然な変数変換後の台形公式は、計算調和解析の主たる道具である非一様高速Fourier変換(NUFFT)によって効率的に近似することが可能である. 講演の前半では、与えられたモニター関数から定まるパラメータ表示を接線方向速度によって実現する方法と具体的なシミュレーション結果について紹介し、そのいくつかの限界を指摘する. 後半では、モニター関数から定まるダミーと呼ばれる曲線を用いた静的なパラメータ変換の手法を提案し、接線方向速度の任意性を用いた動的な手法との関係でその性質を議論する.

備考: 本セミナーは関係者のみ参加によるZoomオンラインセミナーとして行います.